お祝いやお礼の贈り物にもんきりを添えて 暮らしをたのしむ 年末年始

江戸時代に楽しまれていた日本の切り紙、もんきり遊び。
切った紋切りを、四季折々の日々の暮しの中でたのしむアイデアをご紹介している「暮らしでたのしむ」。

今回は、切ったもんきりを贈り物にそえて気軽にたのしむアイデアをご紹介します。
小社エクスプランテの紋切り書籍があれば、すぐにできる気軽なアイデアです。

 

縁起の良いもんきりを添えて、「ひらく」うれしさを贈る。

用意するもの
封筒
はさみ(カッター、カッティングマット)
・型紙をとめるホチキス(クリップ、貼って剥がせるノリなど)
和紙折り紙紋切りの型紙
和紙折り紙と、今回使用する「南天車」の型紙は、『紙あそび歳時記 日本の行事』『紋切り型 めでたづくしなどに入っています。

 

さぁ、まずは紋切りを入れて贈るための手ごろな封筒を用意します。
紋切りの本に掲載されているお好きな紋切り型の型紙が、ちょうど入るサイズの封筒を選ぶのがポイントです。

たとえばこの「南天車(なんてん ぐるま)」の型紙がそっくり入るこの小さな封筒。
今回は分かりやすいように半透明の封筒を使っていますが、お手持ちの普通の封筒で大丈夫です。

「南天車」の紋切り型は、5つ折り。
お好きな色の和紙折り紙を選んで、折っていきます。

5つ折りのように折り数が多い紋切り型を作る時は、折り目をきっちり揃えるのがきれいに作るコツです。

「南天車」の紋切り型の型紙を、5つ折りにした和紙折り紙の折り目にピタリと揃えたら切っている間に紙の位置がずれないように、ホチキスやクリップなどで余白をとめましょう。

とめた型紙ごと、和紙折り紙を切っていきます。
南天の実や茎は細かいので、あわてずにゆっくり。

ハサミで切りにくい部分があればカッターも使って、道具を上手に使い分けてゆっくりと切っていきましょう。

最後まで切れたら、いつもならできた紋切りをそーっと開くのですが・・・

今日は、ひらきません。
ここで開きたい気持ちをグッとこらえて、折り畳まれたままの紋切りを先ほど用意しておいた封筒に入れてしまいます。

そう、今回は紋切り型をそっと開く”あのうれしい瞬間”も一緒に贈るんです。

受け取った方が封筒をあけ、中から出てきた繊細な切り紙をそーっと開くと、その手のひらの上に生まれる「日本の美しいかたち」。
ふわっと笑顔までこぼれそうです。

 

「ひらく」「増す」「広がる」

新しい年を迎える今の季節に、「開けゴマ!」とおまじないをしたくなるような、ちょっとたのしくて縁起もいい、うれしい紋切りの贈り方です。

年末年始の人の集まる機会の多い季節。
贈り物にこの「開いてうれしい紋切り」をそっと添えて、紋切り型のかたちにこめられた意味や願いも一緒に、贈ってみませんか。

 

切り紙にすると、さらにその真っ直ぐな美しさが増す、日本の伝統的なかたち。
南天(なんてん)は、その響きを「難(なん)を転(てん)ずる」とかけて、古くから人々に喜んで使われ、伝えられてきたかたちです。

エクスプランテの紋切り型には、このほかにも思わず使いたくなるうれしい意味を持つかたちや、美しいかたちがたくさんあります。
ぜひ、あなたの大切な方にぴったりのかたちを選んでみてください。

そしてどうぞ紋切り遊びと一緒に、笑顔集まる年末年始の場面を過ごせますように。


今回ご紹介した紋切り型の作り方や型紙は
小社エクスプランテの下記の書籍に掲載されています。

「南天車」掲載


*『紋切り型 めでたづくし』の南天車の紋切り型は、細かい葉脈の切り込み模様を切らずに作ると、受け取った方が紋切りを開きやすくなりますよ。