【ワークショップのご報告】 「江戸の紋切り遊びで、日本のかたちを遊ぼう」2016年10月22日(土)サントリー美術館

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館

眠らぬ街六本木が朝から夜までアートに染まる「六本木アートナイト2016」
3日間の期間中の10月22日(土)、東京ミッドタウン・サントリー美術館1Fレクチャールームにて、もんきりワークショップ「江戸の紋きり遊びで、日本のかたちを遊ぼう」が開催されました。

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館ワークショップでは、もんきりと、紋や日本のかたちの楽しさをご紹介しながら皆さんと紋きり遊びをして、白い和紙の美しい壁に囲まれた会場の空間を飾っていきます。

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さっそく、もんきりを切ってみます。
なぼさんがサッとテーブル中央に敷いた白い紙の上に、切りあがったもんきりが並んでいきます。

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選ぶ紙の色も、切ったもんきりの並べ方も、人によって全く違います。
このやさしい色合いのもんきりを切ったのはどなたでしょう?
それは・・・

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ご夫婦で参加して下さったお二人でした。
奥さまは丁寧に時間をかけて兎を切って、旦那さまはその隣でいろんな紋きりをどんどん切っていらっしゃいます。

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「わー、できた!」
机にもんきりが並んできたのを見計らって、なぼさんが皆さんのもんきりを机の上で立体的に飾りつけ始めました。
風でゆらゆらと揺れるもんきり。頑張って切った黄色い真向き兎もうれしそうです。

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館みなさん手の動きが良くなって、机の上にもんきりがみるみる増えていきます。
おや?あの黄色い紙の上の松は・・・

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館伺えば、紙を折って切る時にうっかり松が二つに切れてしまったので、こうして黄色の紙の上に並べてみたそうです。あわや失敗かと思ったら、他のもんきりの中に混じってもひときわ目をひく、新しい景色が生まれました。

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こちらでは、紙の切れ端を使って、型も使わず何か切っている方が・・・

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なんと、かわいいちいさな二つ瓢が並びました。

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こちらでも、なぼさんが面白いことをしている人を発見。他の机の皆さんにもご紹介して歩きます。
なるほど、赤い紙で蔦を切ったあとの切れ端を、白い紙の上に並べて載せてみたら、もうひとつ蔦が出来ました。
1つ切って生まれる、2つのかたち。

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細い細い「真向き兎」の切れ端を、風で飛ばないように大切にとっておいて、丁寧に並べている方も。

余談ですが
実はなぼさんも準備の時に
入口の大きな白い兎を切った切れ端を
「おもしろい!うどんみたい!」と愛でていました。
みんなやっぱり、カスが好きなんですね。
江戸時代の人たちも、そうだったのでしょうか。

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「丸に九枚萩」と、なんとも不思議なかたちがおもしろい、その切れ端。

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こちらの2枚は、どちらも同じ「丸に九枚萩」の型からつくられたもの。
近くで「丸に九枚萩」をきれいに切った方のものをお借りして右に並べてみると、その違い・工夫が一目瞭然。
六角形と丸、ちょっと切り方を変えただけてこんなにイメージが変わるんですね。

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この九枚萩には、色違いの灰色の丸い紙が4つ貼ってありますね。
飾りとしてだけでなく、こうすると切った紋の葉の部分がヒラヒラしない。なるほど!

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じっくり切った、真向き兎。
葉っぱを並べて、おいしそうな桃うさぎにしている方まで!

みなさん、型に沿って切り出した一つ一つの「かたち」からイメージがぐんぐん広がり、自由に手が動きはじめます。

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館こんな型はあったかな?
1ツ折りの島原扇を、5ツ折りにアレンジしたオリジナルだそうです。

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ぐるりと見事な、向かい合う鶴。

もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館 四つ目の光琳桔梗?もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館

蝙蝠の目にも工夫が。妖怪のようでかっこいい。もんきりワークショップ20161022六本木アートナイト・サントリー美術館

ハロウィンが近いせいか、オバケやカボチャもあちこちに出現しはじめました。

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こよりの様に細い、繊細なかたち。

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ちぎった紙の表情が生き生きとした「三ツ椿車」

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切った紋きりに縁取りのように色を重ねて。

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紋切り型と、切れ端の紙のかたちを上手く使った、2色の紙の組み合わせ。

あちらで新しい試みが生まれると、こちらではさらに角度を変えた工夫が生まれ、
最初は皆さん1人1人の手がそれぞれ別の小さな曲を奏でているようだったのが、みんなの生み出す「ものをつくる空気」が次第にもくもくと広がって、気がつけば大きな曲を演奏するオーケストラの一団のように会場を渦巻いていきます。

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もんきりと、正方形の和紙折り紙を上手に組み合わせていた女の子。
うわー、と見ながら、何かを閃いた様子のなぼさん。

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「こうして、旗のように飾ったらどうかな?」
旗飾りに仕立てるなぼさんの隣で、ご本人は次のもんきりを切るのに熱中、真剣。

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上手に切った「真向き兎」と、まさにアートナイトな三日月と蝙蝠の旗を持って、記念に大きな紋きりの隣で撮影させてもらいました。

そろそろ夜もふけてきた、六本木アートナイト。
女の子にこっそり「眠い?」と聞いてみたら、「全然眠くない」そうです。

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さぁ、切ったもんきりで吊るし飾りを作って、紐に結んで飾りましょう。

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さてさて、そろそろ終わりの時間となりました。
六本木アートナイト2016の長い一日をご一緒に過ごして下さって、ありがとうございました。

ぴょんと身軽にもんきりの型を飛び越えたかたちが色とりどりに生まれた、六本木アートナイトでのもんきりワークショップ。
みなさんのもんきりで彩られた空間も、サントリー美術館で翌日まで展示され、おかげさまでたくさんの方にご覧いただけたようです。

ちょうどサントリー美術館では「鈴木其一 江戸琳派の旗手」展を10/30まで開催中。見ごたえのある話題の企画展終了まであと8日ということもあり、この日も開館前から長い列ができ、夜遅くまで賑わっていました。