【ワークショップご報告】旧暦カフェワークショップ 令和3年度江戸文化体験事業×国際交流事業×はけの森美術館 「知る、やってみる旧暦カフェ2 お盆」 小金井市立はけの森美術館

先日2021年10月3日(日)・9日(土)、東京小金井市にあります「小金井市立はけの森美術館」で行われました、旧暦カフェワークショップ「知る、やってみる旧暦カフェ2 お盆」の様子を、ご報告申し上げます。


旧暦カフェ レポート さまざまな「お盆のかたち」を知り、ともに考える

(8/21,22の旧暦お盆の時期に行う予定でしたが、延期になり10/3 と10/9の2回に分けて実施違うメンバーで2回行ったものをひとつにまとめてご報告します。)

まずは、それぞれの出身地、両親の出身地、そして記憶の中のお盆について、語り合いました。
え〜そんなこともるの?ほ〜なるほど!
話をしているうちに、記憶のフタが次々と開いて、忘れていたことが蘇ります。
それが対話の醍醐味ですね。こんなに朗らかな笑い声に満ちた時間、久しぶりだな〜との感想も。

事前に行ったリモートでの「お盆インタヴュー」もなかなの内容の濃いものでした。

その後、さまざまなお盆の風習の写真を見ながら、
「お盆」の中に潜む死生観に想いを馳せます。
「お盆のかたち」の中に潜むキーワード、水、火、草花、棚、縄、はしご、舟、傘、食、香り、、、、。
深く、広く、水に潜るように行事の根っこを探る。
点と点がつながり新しい風景が見えてくる。
謎はますます深まる。
スリリングな対話。

小金井の地元の旧家のお盆棚。チガヤの縄にその時期の実りを吊るします。(8月1日に、取材させていただきました。昔は藁の松明をボウボウと燃やしてお墓まで、ご先祖さまを迎えに行ったそうです。)

お盆の時期は過ぎてしまいましたが、
今のこの時の「実り」であることが大切なのでは、、
ということで、秋の実りを集めてみました。

里芋の葉っぱも。

日本人には、当たり前のきゅうりとなすの馬と牛。
タイ人親子の参加者は、見たこともない!ということで、
お嬢さんたちと一緒に作ってみました。

「当たり前」と思っていたけど、よく考えてみると
なんだか不思議な風習ですよね。
死者の国とこの世をつなぐ動物たちのユーモラスなこと!
これに乗ってくるご先祖さまの姿を思い浮かべるとつい、微笑んでしまいます。
山から取ってきた草花(盆花)にご先祖さまがついてくるという考えも好きです。

盆棚の「チガヤ綱」の出来上がり!

多くの人が初めの「縄をない」でした。
チガヤはすでに少し硬くなっていて、ちょっと難しかったかも。
「できるようになる」ことは嬉しい。手が賢くなったような気がする。
青い生葉の匂いはいい匂い。
気仙沼で見つけた紙垂も作ってみました。

私もふくめ、多くの人が自分ごととしての「お盆の風習」を失っているけれど、
こうやって、「知る」こと、「やってみる」こと、「対話する」ことを通して、
自分なりの「お盆」の形を手探りしていくのもいいなあ。
みんながそんな気持ちになりました。

今もまだ余韻を反芻しながら、「お盆」について考えがぐるぐるしています。

こんなふうに、旧暦カフェは、これからも続く。

下中菜穂