【自習ご報告:1】それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(11)節分のヤイカガシと虫の口焼き

◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ

関根みゆきさん(下関市出身)
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(1) 節分のおまじない

私は下関市の出身で、母は神戸の人でしたが、「鬼は外、福は内」と唱えるだけで他には覚えがありません。柊やイワシの頭も東京に来て知りました。

(2)「節分」グッズ
●柊セット
下北沢のスーパーで手に取った節分グッズ

「日本一のエダマメから生まれた幸せを呼ぶ柊だよ」沼田利根蔬菜出荷組合とあります。「天狗の枝豆」は群馬県の高級ブランド枝豆だそうです。
商品情報を調べたところ、私が買った節分グッズの製造過程が動画で紹介されていました。

【動画】鬼払う「柊セット」 節分に向け出荷ピーク 利根沼田(上毛新聞:2022/1/18 06:00)

説明を聞くと、柊は徳島から、豆ガラも専用の豆から丁寧に作られ、稲わらで結ぶ事にもこだわって作られた縁起物だとわかりました。
豆殻のカラカラとした音とヒイラギのとげが鬼を追い払うといいます。鬼の面付きです。

●お豆

これは広島県廿日市市の(株)イシカワ 製造。今年で創業 96 年の老舗のお豆屋さんでした。
「一番人気は節分の豆として親しまれている“かる焼き大豆”です。大豆は北海道産にこだわり、焙煎も創業当初のやり方を大事にしつつ、改良を重ねてより柔らかくそして食べやすくしました。」とのこと。
初めてこういうことを調べてみました。生産者について知るのも大事なのですね

(3)立春・節分の頃の行事について

川越氷川神社の行事を表す「まもり結び」をデザインする際に、2月の節分は宮中で行われていた「追儺(ついな)」の行事からヒントを得ました。京都風俗博物館の本より追儺についてまとめます。



●追儺(ついな)

追儺は大晦日の宮中行事で悪鬼を追い払うためのもの。「おにやらい」「なやらい」ともいいました。
中国から渡来した行事で「大儺(おおやらい)」といい文献上では707年が初見で、そののち「追儺」と呼ばれます。
祭りを行うのは陰陽師で悪鬼を祓う祭文を唱えると、黄金の4つ目の仮面をつけた方相氏(ほうそうし)が盾を矛で打ち鳴らしつつ目に見えない悪鬼を祓って歩き、門外へ追い出しました。ところが方相氏が恐ろしい顔をしているからか 12 世紀の頃には立場が変わり、方相氏そのものが悪鬼とみなされて弓で射られ追い払われる対象となった。
現在でも平安神宮や吉田神社の節分祭では方相氏が登場するそうです。




下中菜穂より関根さんへのお返事
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スーパーで売っているヤイカガシセットも、こんなおじいちゃんが心込めて作っていると思うと、ありがたいですね。
この動画の「豆殻」の生産者、っていうのがなんだか笑っちゃいますね。
やっぱり、ヤイカガシのためにわざわざ「殻」を生産しているんだ!
11万セットも作るんだから、そういうことになるんですね。
上毛新聞やるなあ。動画ニュース、面白いです。
かつては、豆はどこの農家でも畦などに作っていて、それを収穫した後の殻を利用したんでしょうね。
でも、今では豆の生産者の方も豆殻を乾燥した形でとっておくこともないようで、
私も旧暦カフェのために「豆殻」を手に入れるのには苦労しました。
結局友人を介して、黒豆の収穫して脱穀していないものを手に入れたのです。
つまり、、豆入りだったので、自分で豆を出しました。笑。
豆殻もさることながら、豆を炒る時のガラガラいう大きな音!これも魔除けなんだろうなと思います。

追儺の方相氏の風貌が、むしろ今の鬼のイメージに近いのが面白いです。

伊藤さん(浜松市)
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浜松八幡宮では追難式を毎年行っているそうです。

鬼を撃退、福招く 浜松八幡宮で追儺式(中日新聞:2019年2月3日 02時00分)


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