それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(12) 桃の節供、清明節のころ

2022年4月22日ころの写真です。今年はどんな花が咲くかな

春爛漫、次々に花笑うころ。お元気ですか?

旧暦3月3日(2023年の新暦では4月22日)

あれ?今年の旧暦の桃の
節句は少し遅くない? そうなんです。
実は、今年は閏月(うるうづき)2月があって2月が2回繰り返されるからです。
閏月!
閏月の仕組みは、本当にわかりにくい。
暦と季節のズレを調整するためとはいえ、
同じ月を繰り返すことに昔の人は抵抗がなかったのかしらん?
日取りと月の形が一致していることは、便利だし腑に落ちるのだけど、
いったいどう折り合いをつけたものか。

ともかく、今年は新暦3月3日から2ヶ月近く後に
旧暦の桃の節供がやってくることになります。
今後の行事も例年より、少しずつ遅れることになりますが、
そんな体験も味わってみようと思います。

さて、去年の自習では「桃の節供に食べるもの」をめぐって対話しました。
草餅がヨモギだけでなく、ハハコグサだったことは驚きでした。
ナズナが中国出身者の春の味であることも知りました。
今年は、「春」をめぐる文章を2つご紹介しながら、
みなさんの「春の記憶」を伺えればと思います。

春はどこから?

「古来、日本では春は待つものであった。春の予感を感じつつ、静かに春のおとずれを待つのが日本人の季節の受け入れ方であったように思う。ところが、中国では春は郊外へ迎えに出るものであった。」「大陸から来た季節の言葉」(原朝子著 ほくめい出版)より

立春の日には、天子は、五行思想に基づき春の色(青)をまとった官吏たちを率い、青い旗を立て、春が来る方角(東)の郊外にでかけて神を祀って春を迎えたのだそう。「春を迎えに行く」青い色の行列とは、なんと鮮烈なイメージでしょう!
あ、「迎春」という言葉はその痕跡だったんですね。きっと。

そして、3月上巳の日(最初の巳の日)に水辺で禊祓いをしたことが、川辺での「踏青」(春に萌え出た青草を踏む呪術)につながり、さらには本来の意味が失われ、春の野遊び一般をさすようになりました。今中国では上巳の節供は、清明節(今年は4月5日)に吸収される形で、お墓参りと野遊びの日となっているようです。

日本でも「桃の節句」前後には、山遊び、磯遊びなどをする風習が残っているところも多く、春の萌出る生気を身体いっぱいに浴びる。このころの行事の根っこはそこにあるように思います。

ワラビの精、山に還る!

「あーあ、こうやって抛っておいては、ワラビが山に還ってしまうが」と新潟県南蒲原郡下田村の奥(現三条市笠堀)で、土地の人に叱られたことがある。摘んできたワラビの束を、夜になっても宿舎の板の間に投げ出していたからだ。すぐに塩を持ってきてくれた。ゼンマイもワラビも、採ったその日のうちに処理しなければ、夜のうちに精が山へ還る。そうなると茎は硬くなってまずく、食べられない。(後略)」「食の民俗事典」(野本寛一編 柊風社)より

この一文を読んだときの衝撃といったら!
なんと、、私達が食べているのは山に還ってしまったヌケガラばかりじゃないか。。。
やはり、現代を生きる私達にこそ、野に出て山に遊び、磯の遊ぶ行事が必要ですね。


さて、今回の旧暦カフェ自習のよびかけです。

◉「やってみる」自習の提案

(1)あなたが春を感じるのは、どんな時?

(2)桃の節句、清明節、踏青、、、あなたの「春の記憶」を教えて下さい。

(3)春の食べ物といえば?

それぞれの中に眠っている記憶を呼び覚ますことで、
私達なりの春の行事を再編集できればいいなと思います。

なんだか食いしん坊の写真ばかりになりました。
野山や道を歩くとどれもこれも「たべたい〜」と野生の声がささやきます。笑

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日程:2023年4月22日
参加形式:
今回は自習のみですので自由参加 参加費は不要です
場所:各自皆さんのおうちで。安全やマナーに気を付けて楽しく自由研究してみましょう!
※日程は目安です。ご都合に合わせてご参加ください

さぁ、あなたも #旧暦カフェ桃の節供 してみませんか?

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エクスプランテ e-mail: u-yu@yj8.so-net.ne.jp
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