それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(2) 「コト八日」2022年3月10日(木)

◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ

コロナ禍で集まることができなかった時期に2年続けて「天道花」をネットで呼びかけたところ、みなさんから「やってみた」報告がたくさん寄せられました。「毎年やってみたい!」との声も。
集まれないことは残念だけど、遠くの人も参加できる。
そんなネットの良い面も知りました。今年も折々に「やってみる」自習を呼びかけたいと思います。

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コト八日
一つ目小僧の来る日

◉旧暦二月八日(2022年の新暦では3月10日にあたる)

実はよくわからないことが多い、なんとも謎めいた行事です。
旧暦二月八日と十二月八日の年に2回、あるいはどちらかを「コト八日」といいます。
この日には「一つ目小僧」がやってくるので、それを避けるために
目がたくさんある目籠を玄関や屋根に掲げるのだといいます。

コトとは?

コトとは家の祭りや小祭をさします。
二月八日には、正月の祭事が終わるという意味で「コト納め」と呼んだり、
農業の祭事が始まると解釈して「コト初め」と呼ぶなど、地方によってさまざまです。

一つ目小僧?

この日に訪れる妖怪は、ヒトツマナコ(一眼)、ヨウカゾウ(八日僧)、ダイマナク(大眼)などと呼ばれます。病気や災厄をもたらす悪鬼だと語られます。目籠の他にもニンニクや柊の枝、唐辛子、ハリセンボン蜂の巣、山椒、いわしの頭などをかがげてこれを避けるといいます。(あれ?節分のヤイカガシみたいですね)なぜ目が一つなのか?タタラ製鉄の神イッポンダタラ(一つ目一本足)に由来する説もありますが、人の善悪を監視する「天の眼」であるという解釈も。「天の眼」に対して「井戸眼(イドマナコ)」という「地の眼」の伝承も広く伝えられています。

なぜ八日?

この日の他にも年中行事には八日という日取りが出てきます。
なぜだろう…?と思っていたのですが、あるときハッと気がつきました。
そうです!八日は旧暦では半月です。
かつては夜空の月を見上げて時を知ったのです。
だから、満月の15日とともに、半月の8日もひとつのわかりやすい区切りと考えたのですね。

「やってみる」

栃木県ではこの日「笹神さま」が来ると言って3本の笹でを立てて供物をするところもあるそう。
長野、愛知、山梨、静岡などでは悪鬼を藁人形に見立て鉦や太鼓で囃しながら村境や海にまで送るところもあるそう。何かと謎の多いコト八日ですが、天や地に大きな目玉の妖怪がいて、
私たちの暮らしや行いをじっと睨んでいるのだというイメージを心のどこかに持つのもいいものですね。
私もこの日竹竿の上に掲げて、「天の眼」に思いを馳せてみたいと思います。
通りすがりの人は気がつくかな?街の中にこんな謎が出現するのも面白そう。
楽しい対話が生まれるかもしれませんね。


それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習 (2) 「コト八日」

1)あなたの地域(或いはご実家など)にはコト八日の風習がありますか?
2)まだこの風習を続けているところの情報があればぜひ教えてください。
3)皆さんも「やってみた」報告お待ちします。

日程:2022年3月10日(木)
参加形式:今回は自習のみですので自由参加 参加費は不要です
場所:各自皆さんのおうちで。安全やマナーに気を付けて楽しく自由研究してみましょう!

下の絵は明治時代に描かれた目籠の図。
横にある帆掛け船みたいなのはいったい何?
玄関に籠と供物を置いた写真も見たことがあります。
謎はまだまだいっぱい!

『温古年中行事』(鮮齋永濯 画 1889)より

家の中のカゴを探してみた。
目がたくさんあるもの?
こんなのかな?

ちょっと試してみる。予行練習。
ふむ。こんな感じかな?
一つ目は空からやってくるのか?


さぁ、あなたも #コト八日 してみませんか?

*エクスプランテ公式twitterでもアンケート実施中です!

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ちょっと「コト八日」にチャレンジしてみようかな、と思われた皆さん!
よかったらみなさんの自習結果(写真、制作エピソードなど)を私たちにもシェアしていただけるとうれしいです。

エクスプランテ e-mail: u-yu@yj8.so-net.ne.jp
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*メールは3/10以降に送っていただいても構いません。気長にお待ちしております。
当サイトでご紹介します。匿名や非公開を希望される方はお書き添えください。

「やってみた」天道花@くさっぱら公園2020

みなさんのご報告、お待ちしてます!