【自習ご報告:5】それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(10)正月のしつらえ、縁起物

◉旧暦カフェ 「やってみる」自習シリーズ

それぞれの旧暦カフェ・ワークショップ 特別自習(10)正月のしつらえ、縁起物
https://www.xpl.jp/ws-20221226jisyu/


続いて三重県からの報告、春節ちょこっとレポートをお届けします。

岸葉子さん(三重県)
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【しめ飾り】

子どもの頃から既に門松はあまり見なかったように思います。
公共施設の玄関先にあるぐらい。それも最近は、ほとんど見ないような。
しめ飾りは、どの家でも昔は飾っていましたが、それも最近はあまり見ませんね。
母方の祖父母の家では、玄関のしめ飾り(橙がついた普通のもの)以外に輪になったものを床の間やトイレの入口などに。
荒神様や神棚にも何か同じようなものを飾ったような。

小学校低学年の頃、飾る役目を仰せつかり「床の間にも神様がいらっしゃるんだ!」と驚いた記憶が。
たぶん神様がおられるところに飾るものと聞いたのかもしれません。

【食べるもの】

父方の祖父母の家の場合、お正月の朝は、お屠蘇とお雑煮。暮れの餅つきの時、お雑煮用に白い小餅をいくつか作っておく。
その餅を焼いて、鰹節で出汁をとり、たくさんの白菜と薄切りした少しの人参を具にした澄まし汁に入れ、お雑煮にする。
その後、速玉大社に初詣、帰宅後、おせちとお寿司で昼食?とする。

おせち→「一の重」数の子、「二の重」白くて甘~いお多福豆(福豆と呼んでいたような)、「三の重」根菜のお煮しめでした。
年末年始は、父の兄弟姉妹と家族で、総勢約20人ほどが寝泊まりするので、数の子争奪戦が激しく、後に数の子のみ配給制?となりました!(笑)
おかずにならない甘い福豆は人気がなく、お正月過ぎても最後まで残っていて、糖尿病の祖母が黙々と食べていました…。
うちのおせちは、このように3種類しかなく、しかも大量に作るので、長い間、同じものを食べ続けます。
海老などが入った、よそのおせちがうらやましかったな~。
後は、海苔巻き、昆布巻きとサンマ寿司。サンマはともかく、昆布巻きが大変珍しいということを、わりと最近知りました。
料理上手な祖母も、昆布を巻くのが一番難しいと言っていました。中味は海苔巻きと同じなのですが、なぜ熊野に昆布巻きが生まれたのでしょう?

http://www.kumadoco.net/dictionary/report.php?no=94

子どもの頃は、昆布巻きもサンマ寿司もそれほど好きではなかったですが、今はとっても食べたいです!



写真は、近くの道の駅で買ったサンマ寿司。
やはり他所で獲れた太ったサンマは…。サンマは脂が抜け痩せたものにかぎります!早く痩せ細った地元のサンマが食べられますように…。

【着るもの】

お正月といえば晴れ着!
子どもの頃は、祖母や伯母が、お正月用にアンサンブルの着物を仕立ててくれました。
それを着て、首に嘘っこの白い狐の襟巻きなぞして初詣に行く&写真撮影。
中学生ぐらいからは、一張羅ではないけれど、よそゆきの新しい服一式、年末に買ってもらい元旦に着る(下着も全部新品!)。
気持ちがしゃんとして、今思えばこれが一番、私にとってお正月らしかったかも。(笑)

下中菜穂より岸さんへのお返事
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床の間の神様。
いいなあ。
やはり子供の頃のこういう記憶って大切だと思う。

数の子をめぐる熾烈な戦い、
葉子さんの一家のお正月の風景が目に浮かぶようです。
今年の旧暦の正月に、中国、韓国の友人たちと餃子を作り、
韓国のお雑煮トックを味わいました。
家族というものが縮小している今、大勢で共に作り、食べる「共食」は記憶の彼方ですが、
むしろ今こそ必要なものだという気がしました。拡大家族でいいので、そんな行事を取り戻したいなあ。

下着まで全部新品。
これ、江戸時代の本を読んでると
みんなそうしてたみたい。
ちなみに春節で集まった時、中国人の二人は赤い服着てきた。
一人はパンツまで赤よ!と言ってました。笑。

昆布巻きといば、ニシンの甘露煮を昆布で巻いて干瓢で巻いたアレと思いきや、
海苔の代わりに昆布で巻いたものなんですね。
食べてみたいなあ。
紀州のカチコチの秋刀魚推し、う〜む。
いつかそれを納得できるような秋刀魚を食べてみたいです。

◉旧暦カフェちょこっとレポート タイの春節

ワールドニュースを見ていたら、
今年のタイの春節の紹介をしていました。
墓地で一晩中映画上映会をして、いろんなご馳走を食べたりして楽しんでました。
新年にはあの世の扉が開くので、祖先と一緒に楽しもうということだそう。
やはり、「お盆と正月にあの世とこの世がつながる」といいうのが
アジアの古い時代の考え方の根底にあるようですね。
日本の「年神さまが来る」というのも、異界との扉が開くからこそですね。

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